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本マニュアルおよびソフトの計算結果の中ででてくる自由エネルギーとは、全て「ヘルムホルツの自由エネルギー」
のことです。
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実際に計算する格子定数を、安定状態の格子定数に対して大きく変化させ過ぎると正しい結果が得られないことが
あります。これは、一般的にポテンシャルというものが原子の平衡点付近のみに対して正しい結果を与えるように
作られるからです。目安は安定状態の格子定数の数%前後以内に変化を留めておく、としておけば大方は大丈夫です。
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振動数で負になっているところは本当は虚数です。すなわち、
振動数=-3となっていたら、それは3iのことです。
しかしプロットなどを考え、便宜上負の実数にしています。
(虚数になるのは、振動数の2乗が固有値として計算されるためです)
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負(虚数)の振動数が物理的に意味を持たないかというとそうではありません。
これはその方向の振動モードが不安定であることを示しています。
相転移と密接な関係があります。
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計算がどうもおかしいなぁ、と思ったらOUTCAL_*.datの中のEnergy surface matrix
を見て下さい。一列目と二列目が中心原子と最近接原子の平衡点からの変位、三列目が
エネルギー変化です。単位は各々Å、Å、eV/cell です。
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振動の自由エネルギーを0kまで外挿していくと零点振動エネルギーが分かります。
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Outcal_*.datに凝集エネルギーの値もでていますが、この値は安定状態の格子定数から
格子を縮めたときに誤った値をだすことがときどきあります(汗 ので、この値は
信頼しないで下さい。ただ、格子振動の物性値を計算するときには別ルーチンにて正しい
エネルギー計算に基づいて行いますのでそちらに関しては問題ありません。
この点の修正を行いたいのですが、PCの事故により現在メインの計算プログラムの
モジュールのソースの一部が紛失し、バイナリしか残っておらず
修正が行えない状態にありますm(__)m
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このソフトで求めた物性値は、研究において半定量的な議論が出来る程度の精度
は持っていると思いますが、責任は持てません。全て自己の責任内で利用して下さい。